2008年8月9日土曜日

SPIDER-MAN 3

アメコミ界の老舗、マーヴェル・コミックスから生まれた人気シリーズ「スパイダーマン」を実写化した劇場版第3弾。今回、原作ファンの人気が高い悪役であるヴェノムが登場。そのヴェノムを生み出すシンビオートと呼ばれる宇宙生物や、もうひとりの悪役であるサンドマンの表現に技術力を結集させたため、製作費に映画史上最高額となる2億5800万ドル(約290億円)が投じられ、それまでの最高額であった『キング・コング』(2005)の2億ドル(約225億円)を遙かに上回ったことで話題となった。
本シリーズはとりわけ日本での人気が高いため、製作会社のソニー・ピクチャーズ エンタテインメントは日本での興行を最重要視し、日本公開を当初予定していた2007年5月5日から世界最速となる2007年5月1日に変更した。公開初日からの観客動員数は約517万人と前2作を大きく凌ぎ、興行収入もシリーズ最高記録となる71億円を記録。日本国内における2007年の年間興収ランキング洋画部門では3位にランクインした。
アメリカでは北米の週末興行収入が1億5110万ドル(約161億円)となり、2006年に記録更新した『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』の1億3560万ドル(約144億円)を超えて歴代1位となった(この記録は翌2008年『ダークナイト』の1億5534万ドル(約165億円)に破られ、現在は歴代2位となっている)。またアメリカ国内における2007年の年間興収ランキングでは3億3650万ドル(約379億円)という驚異的な成績で、『シュレック3』の3億2100万ドル(約361億円)を押さえ堂々の1位にランクインした。


今回の作品では、歴代のシリーズとは違い、スパイダーマンのライバル(敵)キャラが3人も登場する。スパイダーマンの悪の分身ともいえるヴェノム(エディ・ブロック・Jr)やサンドマン(フリント・マルコ)、そしてニューゴブリンであるハリー・オズボーンだ。そのためストーリーの密度がとても高くなっており、技術力の高さはもちろんのこと、ストーリーの質もとてもよい。ここまで豪華なキャラクターを使っておいて、うまく最後にストーリーを終結させることができた制作陣はすばらしい。とても見ごたえアリである。
ストーリーの密度が高いだけではなく、これまでのコミックのファンも十分失望せずに楽しめたはずである。というのも多少の設定の違い(コミックと映画版)があるにせよ、登場人物の設定をひとりひとりしっかりしているし、短い時間の中で、それを十分に描ききっている。
代表例としては、サンドマンだろう。サンドマンとなったフリント・マルコは脱走犯であったが、逮捕の原因となった強盗事件も、自分の子供が難病で、その治療費のために起こしたものであった。その事件の闘争の際に共犯者がピーターのおじであるベン・パーカーを殺害したのだが、それを自分の罪と警察に誤解されてしまう。そのためにスパイダーマン(黒)に攻撃されてしまうことになったが、最後にはしっかりと誤解を解いている。
ハリー・オズボーンは父(ノーマン・オズボーン(グリーンゴブリン))の死を引きずっており、父を殺したと思っているピーターを殺そうとする。これはこれまでのシリーズを通して描かれているものである。
ヴェノムであるエディは、自分のプライドを傷つけたピーター(スパイダーマン)を攻撃する。

それぞれ(文量に違いがあるのは勘弁していただきたいが)の敵に、それぞれ事情があり、それをこの一作の中でうまく表現しきれたこのストーリーは本当にすごいと思った。

それぞれとの戦いにプラスして、ピーターとMJとのラブストーリーや、ハリーとの友情の行方、ピーター自身の中に巣食う「悪」との戦いなどなど、ほかにも注目しておくべき視点がたくさんある。

シリーズ全体を通してのスピード感はもちろん、しっかりとしたメッセージ性もきちんと生きているので、映画としては最高峰といえる。

個人的にいえば、それぞれのキャラに魅力があって、すべてすきなのだが、今回の作品を通してハリー・オズボーンがいっそうスキになった。今まではただの甘えている坊ちゃんとしか思ってなかったのだが、今回の作品は本当にかっこよかった。さらにニューゴブリンの戦闘シーンなんて特にかっこいい。すばらしすぎる。

とにかくオススメの作品。

シリーズを通してみることをオススメする。



クローバーフィールド/HAKAISHA

『クローバーフィールド/HAKAISHA(ハカイシャ)』は、2008年にアメリカ合衆国で公開されたSF・パニック映画。全編小型カムコーダでの撮影という設定になっているが、実際には業務用のPanasonic HVX200での撮影。日本ではパラマウント ジャパンの配給で同年4月5日に公開された。PG-12指定。日本では、公開一ヶ月で興行収入10億円突破。

この映画はとにかく視点が新しいという特徴をまず最初にあげなければならない。
パニック映画を見ているとき、もっといえば、インディペンデンスデイやアルマゲドンのような大きなパニックを描いた作品を見たとき、「一般人はどうしているのだろう」と思ったことはないだろうか。
つまりもしニュースになったとしたら「○○○名の方が亡くなられました」と数字で片つけられてしまう人たちのそれぞれのドラマである。
この映画は一般人の視点を中心に物語を展開していく。
その際にキーポイントとなるのが、みんなが持っているようなハンディカムで一般人によって撮影されたテープを、映画館で僕らは再生するという設定だ。
そんな些細な設定が、物語をよりリアルに演出するのである。
その痛々しいまでのリアルさと、圧倒的なまでの不条理感が物語を盛り上げ、そしてそこに偶然(必然というべきか)映りこんでいる人間のドラマが心をうつ。
衝撃が強いので、とても引力を持っている作品だと思った。

見所はとにかく圧倒的な現実感に、スピード感、そしてテープによって偶然映りこんでいる過去と現実のギャップ、そしてラストのワンシーンである。
ネタばれすると感動や衝撃が半減してしまうので、ここで終わりにするが、映画史上に残るのは間違いないし、見て損は絶対にしない作品だと思う。
というか、これを見ないで何を見るんだ!というくらい僕はこの映画にほれている。
続編などが出るようなので、それを楽しみにしている。

注意としてはスピード感や、手振れなどの表現がすごいので、ジェットコースターに乗っているように感じてしまう人がいる可能性がある。
実際に映画を見ていて酔った人もいるくらいなので、そこだけは注意して欲しい。
少なくとも、初めてのデートで見るような作品でないことは確かである。

制作はドラマ「ロスト」や「ミッションインポッシブル3」などで有名なJ・J・エイブラムス。
手振れの中にCGを組み込むというとんでもない技術を作ったのは、「ジュラシックパーク」でアカデミー賞を受賞した(視覚効果)、ティペット・スタジオである。
ちなみにこの会社、過去22年間で40作もの大作映画やCMにおいて視覚効果やアニメーションを担当し、『ジュラシック・パーク』においてアカデミー賞を1度受賞し、エミー賞を2度受賞している大御所である。


Jumper

1992年にスティーヴン・グールドが発表したSF小説『ジャンパー』が原作のSF映画である。
『ボーン・アイデンティティー』や『Mr.&Mrs. スミス』を手掛けたダグ・リーマンが監督を務め、ヘイデン・クリステンセンやジェイミー・ベル、サミュエル・L・ジャクソン、レイチェル・ビルソン、アナソフィア・ロブらが出演している。アメリカをはじめ、香港、アルゼンチンは2008年2月14日公開、日本では20世紀フォックスの配給により同年3月7日公開された。

テレポーテーション能力を持つジャンパーと、普通の女の子とのラブストーリーだったり、ジャンパーと能力者を疎んじる普通の人とのアクションムービーだったりする。
ストーリーもなかなかスキだけど、一番は映像技術。特にジャンプのシーンは何度見てもかっこいいと思ってしまう。
X-MAN2のナイトクロウラーもテレポーテーションを使うが、彼より、こっちの方がスピード感があったりして、僕は好きだ。
それにロケ地がとても豪華であることも見逃せないと思う。
ローマのコロッセオが映画の撮影で使われたのはジャンパーが初めてだし、スフィンクスの上に乗ってみたり(どうやらホントにやったらしい。わかんないけど)、僕らがよく知っている東京もかなり登場するし。
景色を見ているだけでもすごく面白い。

役者でいうなら、グリフィン・オコナー役のジェイミー・ベルがとてもよかった。
というより、グリフィンのキャラがとても好き。
いたずらっこみたいな、でもかわいげのアル感じ。
遊び心あふれてる人。
ジェイミー・ベルは、かなり演技力のある俳優だし、もしスピンオフするなら、ぜひグリフィンの話を作って欲しい。
まぁ、難しいだろうけど。
女性よりは、男性の方が圧倒的に楽しめると思います。